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マッドマックス [DVD]
オーストラリア産低予算映画でありながら、バイオレンス映画の流れを変えた映画史に残る傑作。
リアリズム溢れる近未来的荒廃感。しかしながら風景はほとんど当時のまま。ところが画面から出てくる荒廃感は、登場する人物たちから発散される異様なオーラで塗り捲られ、別世界の感覚が充分に味わえます。
まず警官が警官で無い。サイケなパトカーで市民巻き込みのカーチェイスを繰り広げ、暴走族を取り締まると言うより、いわば縄張り争いのような様相。
敵対するは暴走族というより、略奪者集団がバイクをかって暴れまくるといった方が正しいだろう。暴走族なんて低レベルな存在ではない。
主人公であるマックス(メル・ギブソンが若い!!!)も、当時のヒーロー像とは少し違い、無口でクールな冷たさを感じさせながらも、家族を愛すると言った面も描かれ、シリーズで唯一、マックスというキャラクターを描写しています。
キャラクターたちからは敵味方問わず、負のエネルギーしか感じられず、それが画面ににじみ出ており、この映画独特の臨場感を醸し出しているのでしょう。
アクションにしても冒頭のカーチェイスは今でも充分に迫力充分で、スピード感はピカイチ。CGでなく実写の迫力をまざまざと見せ付けてくれます。
シリーズで唯一ダーティーヒーロー像を描ききった、バイオレンス映画の傑作。一度は見ておきましょう。
余談ですが、当時の日本公開版のエンディングは串田アキラさんの歌う曲(ROLLIN'INTO THE NIGHT)がエンディングに使われており、激シブでした。この別エンドバージョンもいつか再販されるのを期待します!!
ストーリーは西部劇にヒントを得ていると思う。
法の秩序が失われた荒野で繰り広げられる闘いの物語であり、主人公は、
復讐とか正義とかのために、傷だらけになりながらも勝利を収めるまで
食らいついていく。
現代的に翻案したというわけではないだろうが、カーチェイスにおいても
通ずるものを感じる。ショットガンで撃たれた標識がカラカラと回る所、
バイクで田舎の駅前に整列する所など、きっとイメージは西部劇から得た
ものが大きいのじゃないか。それもイタリア製の荒んだマカロニウエスタン
の影響かと思う。近未来という設定が、そうした結びつきを巧妙に隠す道具
立てとなっている。
カーチェイスを単なる見世物に終わらせず、恐怖を喚起するように念入りに
作り込んでいるのが、やはり本作の1番の見所である。高速で走るバイクを
見せておいて、その後ろからさらに追い上げてくる黒いインターセプター。
このシーンひとつを取ってみても、ただそれだけのことでゾクゾクさせる
効果がある。車をぶつける、ひっくり返す、爆発させるというだけのことでは
笑いをも起こしかねないものを、ここではその前後のシーンの異様なテン
ションでもって恐怖へと結び付けている。そのために、グロテスクなシーン
は多くないのに極めて暴力的な映画だという印象を残すのだろう。
いずれにしても、大変に印象的な映画であり、見ないで済ませるのはもったい
ないことだ。
車好き、バイク好きにはたまらないでしょ。マックスが駆るフォード・ファルコン・インターセプターもカッコイイが、個人的にはマックスの相棒グースが操るZ1000(だと思うんだけど)が最高。他にも暴走族側で、カワサキの900、ホンダの1000、ヤマハの500といった名車達がギンギンにチューンされて登場します。死人が出たという噂がまことしやかに囁かれるほどのド迫力のアクション描写と単純明快なストーリーのおかげで、見終わった後の爽快感はチョット他の映画では味わうことの出来ない類のものになっています。